初代PlayStation3のメンテナンスの記録
初代PlayStation3の状況について。
初代PlayStation3(以下、初代PS3)とはCECHA00とCECHB00のことだ。この機体は廃熱に問題があって悪い影響を与える。登場から19年ほど経過しているので経年劣化もありさらに過酷な状況になっているであろう。何事もなく無事に動いている機体はまれであると思う。
現在出まわっている機体のほとんどがYLODといってイエローライトオブデスという状況になっている。フリマ等で出品されているほとんどがこれである。電源を入れると電源部分のLEDが一瞬だけ緑に光りそのあとすぐに黄色に光ってその次に赤点滅となり起動しないのだ。
その原因は廃熱問題の影響でCPUまたはGPUにはんだクラックが起こりYLODになるのだ。もうひとつはそのCPUやGPU周りにプロードライザーというコンデンサが8個ついているのだがこれも同じく熱にやられて容量抜けが起きてYLODを引き起こす。
上記を引き起こさないようにしっかりと廃熱対策のためのメンテナンスの手順を記録する。
メンテナンスの基本について。
メンテナンスといっても特別難しいことをするのではない。基本は内部の掃除を行って埃を取り除きグリスアップして少しでも廃熱がスムーズに行われるようにするだけなのだ。
前回の分解手順通りに写真のところまで分解する。底面プラパーツから基板のあるシルバーの部分を取り外したところだ。
底面プラパーツの埃がひどかったので洗面台できれいに水洗いした。100均で購入したペンキ用の筆を使用して石鹸をつけて洗った。水洗い後はしっかり水分をふき取って完全に乾くまで組み立てない。ねじ穴やスポンジのような部分に水が入り込んでいるのでエアダスターでねじ穴部分の水を飛ばしたりスポンジ部分はティッシュで押しながら水分を拭き取る。
基板を取り出したらCPU周りなど基板に付いている埃を取り除く。エアダスターで埃を飛ばしても良いし私はハンディー掃除機できれいにしている。静電気が起きたら終わりなのでこの方法はあくまでも自己責任である。
埃を取ったら次は古いグリスを取り除く。写真の通り完全に乾ききっているのでプラパーツ等でガリガリと削り取る。近くにはICチップやコンデンサがたくさんあるので当たらないように注意しながら行う。ある程度削ったら無水エタノールをしみ込ませたティッシュできれいに拭き取る。CPU、GPU両方とも同じように行う。
CPU、GPUがくっついていたファンの部分も同じように古いグリスをはがして無水エタノールをしみ込ませたティッシュできれいに拭き取る。
古いグリスを取り除いた状態。プラパーツでガリガリやりすぎて少し跡が残ってしまった。RSXとあるのがGPUだ。その隣のCELLがCPU。CPUとGPUの下に黒い大きなコンデンサが見えるがこれが熱で容量抜けしてしまうプロードライザーだ。
ファンに付いていた古いグリスもきれいした。
次はファンの内部清掃を行う。赤丸の3か所のねじを外す。再設置時は矢印部分を合わせれば間違いなく元に戻せる。
ファンを取り外した。フィンの一枚一枚に埃がびっしり付いているのでそれをきれいにする。またファンの内部も拭き掃除をしたりエアーを吹いたりしてきれいにする。
ウエットティッシュや歯ブラシなど使用してファンをきれいにしたので先ほどと逆の手順で再設置する。
放熱シートが劣化して割れていたりちぎれた部分があったので新しく設置した。1.2ミリの放熱シートをカットして取り付けた。(水色のシート)
掃除が終わったので元通り基板の上下にあるシールドをセットした。
仮組を行い動作テストをして問題なければ最後まで組み立てる。ファンの音が小さくなったような気がする。これで基本的なメンテナンスの完了だ。
まとめ。
写真にはないが分解途中もかなり埃が多くあり掃除しながら分解を行った。電源内にもエアーを吹いて埃を飛ばしている。このようにある程度メンテナンスをしてあげないと問題なく動いている初代PS3でもいずれYLODになってしまうだろう。
今や貴重な存在となった初代PS3を残していくためにはしっかりとメンテナンスをしてあげないといけない。
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