PS3 YLOD整備の記録

YLODについて。

PS3のYLODの症状には軽いものや重いものがある。軽い症状とは電源スイッチを押してピッと音がしてから5秒ぐらいして起動しそうな時にYLODとなるものだ。YLODとは「Yellow Light of Death」と文字通りイエローのライトが点灯して落ちてしまい起動しない状況になってしまうことだ。

重い症状は電源スイッチを押してピッの音が出るや否やYLODとなる。即落ちのYLODはCPUやGPUのはんだクラック、中にはCPU、GPUが破損しているなんて物もある。軽い症状のYLODは比較的に修理しやすく重い症状は修理が難しいように思う。

前回のブログで軽い症状のYLODであるCECHL00を分解したので(前回の様子はコチラ)その整備を記録する。


CECHL00の整備について。

CECHL00の基板番号はVER-001である。この基板のYLODの整備は初めてである。だが毎回整備しているCOK-001と同じだろうと思う。


CPU、GPUと書かれている部分の裏側にCPU、GPUが取り付けられている。その近くに黒い長方形で「NEC TOKIN」と書いてあるプロードライザがある。ここに電気を溜めてCPUやGPUに電気を送るのだが経年劣化で電気を溜める力が少なくなっていき電力不足でYLODを引き起こす。

軽い症状のYLODはほんの少しだけ電気を溜める力が弱っていて落ちてしまうというものだ。それをカバーするために赤丸部分に置いてあるのだが470μFのタンタルコンデンサを取り付けてプロードライザの電気を溜める力を補ってやれば起動するはずだ。

CPU側にもプロードライザがあるが軽い症状のYLODのほとんどがGPU側の電力が足りないと考えられるのでGPU側にタンタルコンデンサを取り付ける。


VER-001基板は追加でタンタルコンデンサを取り付けられる場所が少ない。赤丸の2か所を削ってプラス、マイナスを間違えないようにタンタルコンデンサをはんだ付けする。


タンタルコンデンサに予備はんだを乗せておく。ちょっと乗せ過ぎた。


タンタルコンデンサの黒い帯がある方がプラス極である。プラス、マイナスを間違えないようにはんだ付けした。これでYLOD対策は終了。


次にでファンを清掃する。赤丸の3か所のねじを外しファンを取り出す。


ファンはウェットティッシュで埃をふき取った。


グリスアップしてこの状態まで仮組して電源を入れたらしっかりと起動した。YLOD対策は無事に成功した。

しかしドライブが正常に動くか確認をしたときにディスクは入るが出てきてくれない。出ようとしているが出てくれなかったのでドライブの整備も行う。


ドライブのカバーを取り外し赤矢印部分に磁石があるのでこれを取り出す。プラスチックの爪で引っかかっているだけなので精密ドライバーでこじって取り出した。


磁石を取り出して磁石の力が弱くなるようにマスキングテープを何枚か貼ってテープがはみ出たところをハサミでカットした。

この磁石はディスクのセンターにありディスク読み込み時にずれないようにくっついているのだが長年使用しているとディスクのセンターにある鉄部にも磁力が移って磁力が強くなってしまい外れ難くなるのだ。

なので少し磁力を弱めてあげればよい。赤矢印の黄色テープ部分が下に来るように元の位置に戻せば終了。


最後の整備はボタン電池が切れていて時間が毎回リセットされてしまうのでボタン電池を新しいものに入れ替えた。電池はCR2032である。


まとめ。

今回行った整備はタンタルコンデンサの設置とPS3内部の掃除とグリスアップ、ドライブの磁石の磁力調整、ボタン電池の交換である。

対して難しいことはしていないが分解して掃除して仮組してまた調子の悪いところを見つけてを繰り返すとかなり時間がかかる。

こうやって無事に動いてくれてきれいに仕上げられるととても満足感が高い。時間をかけて修理がうまくいかなかったときは気持ちを切り替える。良い勉強をしたと考える。


コメント

このブログの人気の投稿

XBOXONE分解の記録

PlayStation3についての記録

初代PS3(CECHA00)分解の記録