PS3のYLOD修理失敗の記録

 PS3のYLODについて。

何度も書いているがPS3のYLODとは「Yellow Light Of Death」の略称名で文字通り黄色のライトが光って起動しない状態のことを言う。

写真のPS3がまさにその状態である。待機状態ではLEDは赤色で電源を入れて普通に起動すると緑色に点灯する。しかしYLODの場合は黄色に光ってすぐに赤点滅になる。


YLODの状況確認について。

電源を入れて1~2秒ですぐに落ちてしまう状態であった。シスコンリーダーで状況を確認するとエラー番号が赤線の通り3034のみであったのでRSX(以後、GPUという)のはんだクラックが原因だろう。


YLODの整備方法について。

状況は確認したので基板の状態まで分解して(分解の様子はコチラ)赤丸のGPUをヒートガンで炙ってはんだクラックを起こしている部分を熱で再接着させる。


写真左にあるRSXと書いてあるチップがGPUとなる。向かって左側にヒートガンを当てる。


まずは既存のはんだが溶けやすくなるように注射器に入ったペースト状のフラックスをGPU周りに塗り込む。


次にヒートガンの熱を当てるのだがこの時は温度を450℃に設定して風量を3.5にし、2分半から3分ほどGPU周りに円を描くようにグルグル回したり小さい円を描いて中心部分に熱を当てたりとGPU全体に均等に熱が伝わるように施工した。

最初はすぐにフラックスが溶けてGPUの中に入り込んでいくが2分過ぎたぐらいになると溶けたフラックスがまた出てきてブクブクと沸騰したような感じなるのでそれ以上は熱を当て過ぎないようにしている。

これで今回のメインの整備は終了だ。この後の基板は触らず熱が引くまで待つ。風など送って急激にはんだを冷やすとそれが原因でまたはんだクラックを起こす可能性があるのでゆっくりと冷めていくのを待つしかない。


基板の熱が引いたら(手で触れる程度になれば良い)簡単に仮組を行いコンセントをつないで電源を入れたらYLODは解消して緑色に点灯した。

しかし何かがおかしい。緑色に点灯して起動はしているんだけれどもそこから何も反応が無い。電源を長押しして強制的にシャットダウンして再度、電源を入れる。


電源を入れた後にHDDのランプを確認した。赤丸部分にHDDを読み込むとLEDがパカパカと点滅するのだが電源が入っているのに全くHDDを読み込まない。

これではシステムが立ち上がらないからダメなのである。こうなったらもうお手上げ状態なので修理失敗が確定した。


まとめ。

貴重な初代PS3のCECHA00がひとつダメになってしまった。元々、YLODで使えない物なので何も状況としては変わらないが私の手でとどめを刺してしまった。しかしこの子を捨てるのはもったいないので全て部品取り用に大切に保管しておく。

そもそもYLODになる前から調子が悪かったのかGPUに熱を当て過ぎてその影響でこうなったものなのか全く不明である。

次回、ヒートガンを使用する場合は熱をもう少し下げてフラックスがブクブクし始めたら早々に熱を当てるのをやめてみようと思う。


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