何やら怪しい初代PS3の整備記録
何やら怪しい初代PS3について。
他人がいじった形跡のあるPS3は何度も見てきたが今回、整備した初代PS3(CECHA00)はかなりひどい状況であった。
購入時にある程度は分かっていたのだが気になって購入してしまった。配送費も含むと結構高額のジャンク品だ。
今回、初めて試みたこともあるのでその記録を残す。
他人がいじった形跡について。
外観は赤丸部分に穴加工がされている。熱を少しでも逃がしたかったのだろう。私も昔やったことあるわ。ただしここに穴を開けると正面から吸う力が少なくなってしまうと思う。
正面から吸った新鮮な空気が基板上下にあるシールドを冷やす効果もあるのではないかと考える。やるならもっと穴を開けて強制的に風を送って冷やすシステムが必要だ。
赤矢印のCPU周りやプロードライザ近くまで何かベタベタしたものがついている。多分、大量のフラックスを塗布してヒートガンを当てたのだと思う。
USBやLANポートなどを制御するサウスブリッジのチップが焦げている。なんでここが焼けてるの?焼け跡が付くまでヒートガン当てたらダメでしょ。
この調子だとCPUやGPUもたくさん炙られているのだろうと想像できる。
それでもこの子を何とかしたいと思ったのはリファービッシュ品だったからだ。(リファービッシュ品とはコチラ)
行った整備について。
まずはフラックスでベタベタだった基板を綺麗に掃除してシスコンリーダーで調査もしないでプロードライザに赤丸のタンタルコンデンサを付けて容量補助を行った。
仮組して動作確認すると立ち上がったが起動して少しすると急にファンが爆音になったので電源を切った。
シスコンリーダーで調査するとHDMIエラーやCPU、GPUの過熱の原因と温度モニターチップのエラーとあったので温度モニターのチップを今回初めて交換してみることにした。
まずはCPU側の温度モニターチップ(赤矢印のチップ)を交換する。
カプトンテープで周囲のICチップが取れてしまわないようにした。
フラックスをたっぷり付けたり追いはんだしたりしてようやく取り外すことができた。
代わりの部品はジャンクの基板から同様に取り外した。
ICチップはこんなに小さい。(綿棒の先との比較)
交換部品を赤丸部分にうまく設置することができた。
仮組して動作確認すると同じくファンが爆音だったのでGPU側の温度モニターチップも同様に交換した。(左の丸がCPU側のチップ、右の矢印の丸が今回交換したチップ)
結果、爆音はなくなったが二度と立ち上がらなくなった。シスコンリーダーで調べると2030、2031、2033のエラーが出ている。
これらはCPU、GPU、サウスブリッジがヒートガンで焼かれて破壊されたことを意味しているらしい。そう言えばサウスブリッジは焦げてたことを思い出した。
今回はこれで整備終了とした。
まとめ。
せっかくの貴重なリファービッシュ基板なのにもったいないことをしないでほしい。いじり倒した本人はリファービッシュ品と言うことも分からずやっているのだろう。昔は焼けば直ったみたいな動画がたくさん出ていたのでその影響もあるかもしれない。
今回は初めて温度モニターチップの交換を試みてファンの爆音はなくなったので温度センサー自体は交換が上手くいって正常になったんだと勝手に想像している。
一度は起動したのに残念な結果になってしまった。貴重なリファービッシュ品を復活させることができなかった。この基板は部品取り用として保管することにする。














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