初代PS3のプロードライザ容量抜け対策の記録
プロードライザの容量抜けについて。
初代PS3(CECHA00、CECHB00)の基板番号はCOK-001である。基板の赤線部分に番号が書いてある。2か所ある赤丸部分にプロードライザというコンデンサがある。(裏面にも2か所あるので合計4か所あり)このプロードライザは電気を溜めたり放出したりする場所なのだが劣化してくると容量抜けを起こして電気を溜めておけなくなりCPUやGPUが必要な電気を得られずYLODを発生させてしまう。
電源を入れて3~4秒して起動しそうだが立ち上がらすYLODを起こす機体はおそらくこの容量抜けが原因でYLODを起こしていると考えられる。
前回リフローして動くようになった初代PS3(前回の様子はコチラ)だがプロードライザの容量抜け対策として470μFのタンタルコンデンサを取り付ける記録をする。
取り付けるタンタルコンデンサについて。
今回はプロードライザの容量抜け対策として補助的にタンタルコンデンサをCPU側とGPU側に各1個ずつ取り付ける。左側の丸はCPU用、右側の丸はGPU用のタンタルコンデンサの取り付け場所だ。
取り付けるタンタルコンデンサはこのような形をしている。矢印の帯がある方がプラス極性である。コンデンサの容量は470μF(マイクロファラド)。
このタンタルコンデンサは1.9ミリと薄い。通常の厚みのあるコンデンサを使用すると修理後、シールドを設置したときに干渉してしまう。コンデンサは電気を溜める場所なので熱を持つ部分にシールドが干渉してしまうと大変危険な状況になる。最悪の場合は発火してしまうので必ず薄いタイプを使用する。(干渉する部分のシールドをカットする方法もあるが鉄板をカットするのは大変である)
タンタルコンデンサの取り付け手順について。
タンタルコンデンサを置いてマジックで設置場所をマーキングする。赤枠部分に濃い緑色のラインがあるのだがそのラインの内側がプラス極性である。なので帯のあるプラス側をライン内に入るようにしマイナス側はライン外に出す。
マーキングした部分をデザインナイフなどで基板の上に塗布されている緑色の部分を削る。プラス側は濃い緑色のラインから絶対にはみ出ないように注意しながら削る。
赤丸部分が緑色の塗布を削ったところ。はんだごてを当てて熱が入りやすいように少し広めに削った。削りカスが出るのできれいに掃除すること。
タンタルコンデンサを裏返してプラス側、マイナス側に予備はんだをしておく。
先ほど削ったところにフラックスを塗ってははんだを馴染みやすくしておきタンタルコンデンサを置いてはんだする。コンデンサに予備はんだをしたので最初はグラグラするがはんだごてを当てて熱を与えるとはんだが溶けてフラットになる。こうなれば先ほど削ったところにはんだが溶けて完全にくっついた状態になる。タンタルコンデンサのプラスとマイナスの向きを間違えないように。
CPU側とGPU側に1個ずつ取り付けた状態だ。取り付けたらフラックスを無水エタノールで拭き取ってきれいにし仮組を行う。
シールドとタンタルコンデンサとのクリアランスはわずかしかない。必ず薄型のタンタルコンデンサをを使用する。
この状態まで仮組して起動することを確認し1時間ほどゲームを起動してみたが特に問題は起きていないので本組して作業を終えた。
まとめ。
タンタルコンデンサは小さく電気を蓄える能力があるので間違った使用をすると大変危険である。先ほども言った通り厚みのあるコンデンサを使用し無理やりシールドをかぶせるのは絶対にしないこと。また容量の大きい電気が流れることも危険である。普通にPS3を使用する分には大きな電気が流れることはないが何か別の改造などしている場合はその危険も考えられる。
間違った使い方をしなければタンタルコンデンサを追加設置することで劣化し少しずつ容量抜けしたプロードライザを補助してくれる。今回はCPUとGPUに1個ずつ設置したがプロードライザの劣化がひどい場合は全交換という方法もある。いつかこれも実践してみたい。
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