PS3リファービッシュ基板の整備記録
リファービッシュ基板の整備について。
貴重なリファービッシュ基板(リファービッシュ基板についてはコチラ)と出会ってしまったのでしっかりと整備をしていきたい。
この機体はすぐ落ちるYLODの症状なのでかなり重症と思い込んでおりずっと放置していた機体なのである。シスコンでログと確認するとRSX(GPU)側のプロードライザの容量抜けが原因の様であった。
かなり汚い機体なので今後出てくる写真は良くないがこうやってメンテをしてるという記録を残しておく。
リファービッシュ基板の現状確認について。
まず基板の左側に変な汚れが付いていてHDDを入れるところも汚れなのか錆びているような感じになっていた。
下側のケースも先ほどの基板部分がひどく汚れている。何かジュースなどの液体をこぼして汚れがこびり付いている。
基板の上も埃だらけ。ここまで埃が多いものは見たことが無い。どうやったらシールドがかぶさっている内部までこんなに埃が入ってくるのか分からない。
CPUやGPUのグリスもカリカリに乾燥してしまい、もうグリスの機能を全く果たしていない状況だ。発熱の状況もすごかったことだと想像できる。
ヒートシンクもこれだけ埃が詰まってたら全く機能していなかっただろう。ファンが回っても風が抜ける隙間がない。これによって基板内部にまで埃が侵入してきたのだろう。
ここまで埃にコーティングされたファンも見たことが無い。ウェットティッシュで拭いても拭いてもポロポロと埃が落ちてきた。
清掃の方法について。
基板のネチョネチョな汚れは歯ブラシに無水エタノールを付けてキムワイプを汚れた部分に置いてゴシゴシとこすった。キムワイプに汚れを吸取らせる。写真のようにキムワイプがすぐに汚れてきた。
基板上の埃はハンディー掃除機で刷毛の付いた先端を取り付けて埃を履くようにして入念に吸取った。
清掃後の各パーツの写真。見違えるほどきれいになった。
YLOD対策の整備方法について。
ログの結果、GPU側の容量抜けなので赤丸部分に470μFのタンタルコンデンサを2個設置してみた。(タンタルコンデンサの詳しい設置方法はコチラ)
今回は赤矢印のサーマルパッドも全て新しいものに交換した。青いサーマルパッドが交換したものだ。サーマルパッドとは熱を伝える役目をしている。この青いサーマルパットの上に鉄製のシールドがかぶさるのでこのシールドに発熱したチップの熱を伝えている。熱が伝わったシールドは本体内に流れているファンの風によって冷却される仕組みだ。
GPU(RSXとあるチップ)には赤ライン部に「CXD5300DGB」とあるので40nm仕様のGPUに交換されていることを確認した。
CPUとGPUに新しくグリスアップを行い写真のところまで仮組をして起動を確認するとYLODは解消されて問題なく動いてくれた。リファービッシュ基板が復活した。起動が確認出来たらまずネットワークへの接続設定を行う。次にPS3本体の初期化、システムアップデートを行いPS1、PS2、PS3のディスクを読み込んで起動するかを確認する。
今回はPS3のBlu-Rayディスクのみが読み込めない状態だったのでレーザーレンズを交換することにした。
ドライブユニットをここまで分解して赤矢印のNGと書いてあるヘッド部分を取り出して青い袋に入った新しいものに交換する。(交換の様子はコチラ)
交換後に動作チェックをして問題なくPS3のBlu-Rayディスクも読み込むことができるようになった。
まとめ。
貴重なリファービッシュ基板を復活させることができた。整備前は状態がひどくあの状態では熱にやられてダメな部分が多々出てくるかもしれないと覚悟していたがタンタルコンデンサの追加設置のみで起動してくれた。
復活させてもPS2が起動できない残念な機体があったりする。PS3にPS2を起動するためのエミュレーター「EE-GS」のチップが搭載されているのだがこれが故障している場合があるのだ。技量がないのでこの修理はできない。今回はこれが熱でやられているかもと思っていたが何も問題なく動いてくれた。無事で良かった。
PS3の整備は何も電気の知識がないのにここまで行うことができるようになった。今はブログやYouTubeで調べれば何でも勉強することができる。自分でいろいろやっているうちにノウハウが蓄積されていく。動かなかったものが動くようになるのはとても楽しい。ただそれだけでここまでやって来れたと言っても過言ではない。















コメント
掃除は大変ですが綺麗になると嬉しいもんです。